仙台国際日本語学校

「仙台国際日本語学校」は宮城県仙台市にある日本語学校です。

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仙台国際日記(ブログ)

長期休暇中の宿題

2019.09.27

4期制を採用している当校では、年度内に5回の長期休暇があります。
①6月下旬から7月上旬にかけての、ちょっと早めの夏休み(1期目と2期目の間)、
②8月中旬、世間の夏休み本番の時期に重なるお盆休み、
③9月下旬から10月上旬にかけての秋休み(2期目と3期目の間)、
④年末というには気が早い、12月下旬から年始にまたがる冬休み(3期目と4期目の間)、
⑤そして、卒業式後の3月下旬から4月上旬までの春休み(4期目と翌年度1期目の間)です。

「長期」といっても、それぞれ2週間程度で、一般的なイメージよりも少し短いと思います。
この5回の休暇にGWを加えた計6回、学生たちの学習が途切れないよう当校では宿題を課しています。
ただここ数年は、主に教員の教育観の変容から、いわゆる「お勉強」とは一味違う宿題に進化してきました。
特に学習段階が中級以上のクラスでは(できることが多いので)、この変わりっぷりが顕著です。
(ちなみに、以前はこんな感じでしたΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン)

最近の宿題を振り返ってみますと、今年のお盆休みの宿題は、
A:図書室の本を2冊読む(学生に貸し出しました)
B:「Gyao!」の動画を2時間以上観る(事前に視聴方法を紹介しました)
上記A/Bからの選択式としました。

また、少し時間を遡って2017年の夏休みの宿題は「日本人と写真を撮ろう!」というもの。
詳細は旧ブログに記事として投稿したものがありますので、そちらをご覧ください。
(「境界を耕す」ねらいで行ったのですが「境界を強化する」感もあり、今後は実施しないつもりでいます)

さて、明日から始まる秋休みの宿題はこちらです。

無題.jpg

見にくいかもしれませんが、要は「毎日15分勉強する」という枠だけ設定しました。
その中身は、つまり「何を勉強するか」は学生たち一人ひとりに任せました。
また、「何を勉強とするか」も学生たちの判断に委ねました。
(配布時に、映画もよし、音楽もよし、日本人との会話だってOKと申し添えました)

「そんな投げやりな!」という声が聞こえてきそうですが、今の学生たちにはこれがいいと思っています。
それに考えてみると、背景も学習目的もその他諸々が異なる学生たちに、同じ宿題を課すほうが変。
このぐらい自由度が高いものや、選択肢があるもののほうが、かえって自然なのではないでしょうか。

こちらの指定通り、毎日15分しか勉強しない学生もきっといるでしょう。
でも休暇中なのですから、毎日15分でも勉強すれば十分!というのは甘すぎでしょうか。

また、「15分以上」は、見方を変えれば1日に20時間勉強したっていいわけです。
進学や12月の日本語能力試験に向けて、自主的に、こちらの予想以上に頑張る者もいるでしょう。
最低ラインしか引かなかったことが、学習を制限せずに済む結果に繋がり得るのです(理屈では)。
賛も否もあるかと思いますし、初めての試みなのでどう転ぶかはわかりません。
が、しかし、私(たち)はこの宿題の意義を信じ、またその成果に期待しています。


(瀬戸)


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