Speech Contest 2019 Scripts#10 「日本に楽しかったことです」 LUU THI HOA (Vietnam)
2019.03.22
2月28日に開催した今年度の弁論大会。
「楽」をテーマに、クラス予選を勝ち抜いた9人の弁士が熱弁をふるいました。
また、3組が歌や楽器の演奏を披露し、こちらも大いに盛り上がりました。
弁士のスピーチは後日動画としてお届けする予定ですが、ここでは原稿を公開します。
当日登壇した学生のものはもちろん、惜しくもクラス予選で涙を飲んだ学生の原稿の中にも、
非常に素晴らしい出来のものが相当数ありましたので、順次ご紹介していきます。
原文そのままですので、多少の読みにくさはあるかもしれませんが、是非ご一読ください。
日本に楽しかったことです LUU THI HOA (Vietnam)
日本へ来たばかりの時の楽しかったおもいでについてお話したいと思います。
それは初めて日本へ来た日です。私は友達と一緒に仙台へ勉強のために来ました。仙台空港にせんぱいがむかえに来てくれました。それから電車で仙台市へ行きました。アパートについた時はもう暗かったですからみんなであしたの朝一緒に学校へ行こうと思っていました。でもあしたはせんぱいは用事があって私たちは自分で学校へ行かなければなりませんでした。道と日本語がわかりません。ですからとても早く起きました。本当にどうやって行ったらいいかわかりません。だから学校へタクシーで行こうと思いました。その時実はちょっとだけ日本語が話せました。運転手さんに学校の住所が書いてある紙を渡して「ここに行きたい」と言いました。私たちは安心して、話しながらけしきを見ました。でも10分...20分まだ学校へつきません。運転手さんは「道をまちがえたようです」と言ってから運転手さんは学校に電話で連絡しました。でもまだ道を間違え続けていました。わたしたちはだんだん不安になりました。学校に行けない。どうしよう。初めての日に、こんな失敗をして、悲しくなりました。
でも、その時です。
私たちはタクシーのまどから仙台の春のけしきを見ました。桜がまんかいで、ほかにも、いろいろな花がさいて、とてもきれいでした。仙台の町もすてきです。天気がよくて、空もきれいでした。
私たちは道にまよったことを忘れて、春のけしきを楽しみました。写真もたくさん撮りました。
そして、私たちは1時間以上もかかって学校につきました。遅刻しましたが、私たちの気持ちはとても楽しかったです。
タクシーの運転手さんも、とても親切にしてくださいました。
学校まではとても長い道になってしまいましたが、それは私たちの初めての旅行になりました。はじめてみた日本の春は、本当にきれいでした。日本へきて、楽しかったことはなんですか、と聞かれたら、私は日本へ来た次の日、不安なきもちをふきとばしてくれた、仙台の春を思い出します。
みなさんの楽しい思い出はなんですか。
添削をなさった先生のご苦労を感じずにはいられませんが、それでもいい文章ですね。
桜を目にしたときを境に心情が一変した様子がよく伝わってきます。
ホアさんが来日、入学してから間もなく1年。
今年の仙台の桜は4月8日頃満開と予想されています。
ちょうどその日は来年度4月期の入学式の日。
今年も桜は、日本へ来たばかりの学生たちの心を、また明るくしてくれることでしょう。
(瀬戸)