仙台国際日本語学校

「仙台国際日本語学校」は宮城県仙台市にある日本語学校です。

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仙台国際日記(ブログ)

Speech Contest 2019 Scripts#3 「日本での楽しいこと」LE THI HONG NGOC(Vietnam)

2019.03.18

2月28日に開催した今年度の弁論大会
「楽」をテーマに、クラス予選を勝ち抜いた9人の弁士が熱弁をふるいました。
また、3組が歌や楽器の演奏を披露し、こちらも大いに盛り上がりました。
弁士のスピーチは後日動画としてお届けする予定ですが、ここでは原稿を公開します。


当日登壇した学生のものはもちろん、惜しくもクラス予選で涙を飲んだ学生の原稿の中にも、
非常に素晴らしい出来のものが相当数ありましたので、順次ご紹介していきます。
原文そのままですので、多少の読みにくさはあるかもしれませんが、是非ご一読ください。




日本での楽しいこと  LE THI HONG NGOC(Vietnam)


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 私は2年間日本での生活をしています。2年たって、いろいろなことが感じています。楽しいこともあるし、困ることもあるし、悲しいこともあります。でも私にとって一番印象に残っているのは楽しいことです。ですから、今日は私が「日本での楽しいこと」についてお話ししたいと思います。
 日本に来てからは、私にとってすべてが新しいことでした。初めて外国で一人暮らしをはじめましたので、最初は怖かったです。文化もちがうし、交通のルールも違うし、いろいろなことも違います。さらに、日本人何を言ったか分かりませんでした。その時、私はとてもさびしくて、困りました。でも友達がいつも手伝ってくれたり、そばでおうえんしたりしました。うれしいことに前は友達ではなかった人たちと今は友達になりました。同じ国の友達だけじゃなくて、いろいろな外国の友達もいます。休みの日とか、ひまな時とか、友達と一緒に遊びに行ったり、ゲームをしたり、バーティ―をしたり、とても楽しいです。ときどき意見がちがうことがありますが家族みたいです。友達になってくれて、本当にありがとうございます。
 日本に来てから、日本での生活をできるように私はアルバイトをしています。今私はすし屋でしごとをしています。初めてしごとをしたとき、私は迷いました。国にいるときにアルバイトをしなかったから、何もわかりませんでした。作り方や魚の名前をみなさんにおしえてもらってもおぼえられませんでした。その時、私はとてもかなしかったです。ストレスもありました。その時はしごとをやめようかなと思っていました。でも店長はやさしくて、いつもおうえんしてくれました。せんぱいはやさしくて、ねっしんにおしえてくれましたおかげで、私はしごともできるようになりました。うれしいことに一緒にしごとする人は友達になりました。私は何かわからないことがあっても、みんなさんにしんせつにしてもらいましたから、今はしごとはとても楽しいです。国にいるとき、母親はいつも私に言いました。「あなたの考えるより外国の生活は本当にかんたんじゃないですよ!」でもその時私はぜんぜん気にしませんでした。母親はいつも私のことを心配していました。今は、母親が何をしんぱいするか、私はわかってきました。母親が私を心配して、言ってくれたことを私は気にしませんでした。お母さん、本当にごめんなさい。今私は母親がいなくても、一人で生活もできます。お母さん、しんぱいしないで!私は決めた道をいっしょうけんめい最後まで行きます。お母さん、いつもしんぱいしてくれて、ありがとうございます。これからも日本での生活をたのしくしようと思います。
 みんなさんは日本での生活はどうですか?楽しいですか?楽しく生活をしましょう!




彼女は1クラス、つまり最も学習段階の進んだクラスに在籍していますが、
語彙や文法などはほとんど初級のもの、また表現にも技巧は感じられません。
しかしそのことが、素直に心情を吐露するような内容とあいまり、効果を生んでいます。


普段は控えめで、どちらかと言えば大人しい印象のゴックさんですが、
文中、特に「私は決めた道をいっしょうけんめい最後まで行きます」あたりからは、
胸に秘めたる芯の強さが伝わってきます。


今月で当校を卒業し、4月からは専門学校へ進学するゴックさん。
これからも何事にも「いっしょうけんめい」に取り組んでください。
そして、これまで以上に楽しい日々が過ごせるように、
今後は陰ながら応援しています、がんばれ!



(瀬戸)

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