仙台国際日本語学校

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仙台国際日記(ブログ)

Speech Contest 2019 Scripts#2 「楽天的な人」PHAM LE DIEM PHUONG(Vietnam)

2019.03.15

2月28日に開催した今年度の弁論大会
「楽」をテーマに、クラス予選を勝ち抜いた9人の弁士が熱弁をふるいました。
また、3組が歌や楽器の演奏を披露し、こちらも大いに盛り上がりました。
弁士のスピーチは後日動画としてお届けする予定ですが、ここでは原稿を公開します。


当日登壇した学生のものはもちろん、惜しくもクラス予選で涙を飲んだ学生の原稿の中にも、
非常に素晴らしい出来のものが相当数ありましたので、順次ご紹介していきます。
原文そのままですので、多少の読みにくさはあるかもしれませんが、是非ご一読ください。




楽天的な人 PHAM LE DIEM PHUONG(Vietnam)


ジェムフーン


 きょうは楽天的な人について話したいです。楽天的な人はどんな人だと思いますか?毎日心配することもないし、いつも笑う人が楽天的な人でしょうか?
 ベトナムにいたころ、家族もいるし、友達もいるし、仕事もあるし、つらいことがあまりありませんでした。本当に私は楽天的な人でした。だからこそ、そのときの生活をかえたいという気持ちが強くなりました。以前、日本でじっしゅう生として、生活して、いろいろなつらいことがありました。それはたいへんでしたが、いい経験になりました。そのあとベトナムへ帰って、ホテルの受つけの仕事をしました。毎日おなじことをしていて、なにもわからないので、よくないと思いました。そのため日本に来ることをきめました。日本に来た後は自分でいろいろなことを考えて、解決しなければなりませんでした。たとえば、アパートをさがすことや、バイトをさがすことや病気の時など不安な気持になりましたが、だれもいなくて、ひとりだけですから、とにかく全部自分でしなければなりません。それに、日本で家を借りることはベトナムで借りることよりふくざつです。ベトナムで家を借りるときは敷金と契約書だけです。しかし、日本ではかならず保証人が要るし、たくさんふくざつな漢字がある契約書に署名しなければなりません。面倒だと思いました。もう楽天的な人ではありませんでしたが、自分でむずかしい問題を解決するときに貴重な経験になって、それ以来、成長することができました。
 人間はとてもふくざつですから楽すぎるとつまらないという気持になるかもしれませんが、楽なことがないと、いつも苦しいという気持になるかもしれません。ベトナムにいたころ、仕事はかんたんだったし、生活の中でふくざつな問題をあまり考えないし、楽だという気持でいました。最初楽だと思いましたが、いみがない人生だと感じて、よくないと思いました。しかし、日本に来た後いろいろなことやふくざつな問題などを考えて、最初の楽な気持ちがだんだんなくなって、人生の中に楽な気持ちとつらい気持ちのバランスがよくなりました。いい感じだと思いました。
 みなさんは楽天的な人になったらいいか、楽天的な人にならなかったらいいか、どう思いますか?




「楽さ加減」について考えさせられます。
前回ご紹介したインマさん同様、母国での生活が楽すぎて物足りず、
そのために日本へ来たというのですから、すごい行動力と決断力です。
彼女にとって日本は外国ですから困難なことも少なくなかったはずですが、
「人生の中に楽な気持ちとつらい気持ちのバランスがよくなりました。いい感じだと思いました」
という言葉はわたしたちにとっては心に響きます。
その逞しさ、見習わないと。



(瀬戸)

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