仙台国際日本語学校

「仙台国際日本語学校」は宮城県仙台市にある日本語学校です。

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仙台国際日記(ブログ)

書き初め ~C文化の中のc文化~

2021.01.22

1月12日から15日にかけて、毎年恒例となっている書き初めの授業を行いました。
「永」の字で八方を練習させた後、今年の目標または好きな言葉・漢字を書かせる、いつもの段取りです。


漢字学習と日本文化体験を兼ねているのですが、私は年々後者の要素が強く感じられるようになってきました。
多分、通常の漢字の授業や、学生たちが漢字を学べるツールが充実してきたからではないかと思います。


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<5クラスのMさんの「好きな漢字」>


さて「文化」を考える際には、これを大きく2つに分けることができるそうです。
その2つとは「C文化(ラージ・シー文化)」と「c文化(スモール・シー文化)」です。
英語表記では"culture with a capital C"と"culture with a small c"となるようです。


簡単に言うと前者は「目に見える文化」、後者は「目に見えない(見えにくい)文化」となるでしょうか。
祭り、音楽、芸術などはC文化の代表例、生活様式や人々の習慣などはc文化になるかと思います。
言うまでもなく、学生たちが日本社会に馴染んでいくためにはc文化のほうが重要です。


書道はどちらかと考えると、多分、目に見えるC文化なのでしょう。
でもその中に、目に見えにくいc文化が潜んでいるなと今更ながら気が付きました。
例えば、一年の目標を今でもわざわざ筆と墨で書き、目につくところに飾っておくこと。
例えば、日本では今でも小学校から書道の勉強をさせていること。
例えば、命名書や店名などにも筆書き(風の書体)が採用されていること。

その奥には単なる伝統や慣例以外のもっと深い何かがあるのでしょうが、そこまではわかりません。
ただ、このような見えにくい部分をこそ、学生たちには伝え、学んでもらいたいなと思いました。
もちろん、書道に限った話ではなく、です。

IMG_6918.JPG
<3クラスの学生たち>

いつになく真面目な内容になってしまいました。
学生たちの作品は来週、校内の廊下に掲示します。



(瀬戸)

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