仙台国際日本語学校

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仙台国際日記(ブログ)

「テストのデジタル化」と、それについてのインタビュー

2020.10.22

これまで紙を媒体にしていた各テストの、デジタル化が徐々に進んでいます。
デジタル化とは、具体的には既存の問題をGoogleフォームを使ったものに置き換えるということです。
まだ3つのテキスト分だけではありますが、課ごとに実施している小テストの置き換えが10月までに完了。
現在は新入生用のプレースメントテストや、中級漢字のテキストの小テストの移行に取り組んでいます。

テストデジタル化.jpg
<N2語彙の小テストのスクリーンショット>

様々なメリットがある(と感じている)から推し進めているということは言うまでもないと思います。
またそのメリットについては、ネット検索すれば膨大な数がヒットしますので、ここには書きません。
今回は、それを実際に使用している学生と先生に、デジタル化されたテストの感想を訊いてみました。


以下、学生3名、教師3名に対して行ったインタビューの内容をまとめたものです。
(インタビュアーの私は専任講師ですので、いずれも多少バイアスがかかった回答になるか思います)
(↑との予想は杞憂に終わった感、強し。皆さん実に率直にお話しくださるなという印象を受けました)


学生A(初級後期、ネパール、性別)
とても楽しかったと、やさしいです。紙で書くときは、とても難しいですから、携帯でとても楽しかったです。国でしたことがありません。日本来たから、初めて。すぐ結果がわかりますからいいです。今はコロナウイルス危ないから、携帯で大丈夫。紙のときちょっと心配です。


学生B(中級後期、ベトナム、20代男性)
あのー、テストは携帯電話で大丈夫ですが、紙で書くことのほうが覚えやすいと思います。それはもう一度勉強することができます。私はそう思います。人によって違うと思いますが。


学生C(中級前期、中国、20代男性)
紙のテストも携帯のテストもどちらもいい。携帯は簡単。書くのはちょっと...。選ぶは少し簡単だと思います。すぐ結果わかるはいいです。国ではしたことがない。大学を卒業しましたが。


教師A(日本語教師歴10年、非常勤講師、60代女性)
1つのテキストのを2~3回しかやったことないんですけど、ちょっともたつきます。私が(笑) 学生もすっとは入れないことがあります。それから学生は「テスト」というよりはゲーム感覚なのかなと、良くも悪くも。でも今は小テストを成績評価に加味していないので、それでいいと思います。あと集計が一気に出てくるので、できてる、できないが一目瞭然というか、わかりやすいです。採点がないっていうのは、結構楽です。準備も楽ですよね。でもまだ慣れてないので、印刷したほうが私ははやい(笑)


教師B(日本語教師歴4年、専任講師、20代女性)
紙と比べて、印刷・回収・採点の手間が省けてるのは大きいかなと。あとはこちらで時間のコントロールがしやすいですね。紙だったら、終わらない人を待って「早く!」ってやるのを、今は「はい終わり!」ってできるので、いいかなと。「終わってない人は家でやってね」と。学生はだいぶ慣れてきましたね。テストだけじゃなくて、作文も多読の記録もデジタル化したことによって、操作に慣れてきたというか。携帯を使って何かをするという作業自体に慣れてきたのかなと。問題作成(置き換え)のときは、形式に制限があるので大変なこともありますね。でも一回作ってしまえばあとは楽なので。


教師C(日本語教師歴5年、非常勤講師、50代女性)
解答の解説するときに、正答率を見ながら説明していくので、フィードバックがしやすいと思います。自分も(正答率が)よくわかります。コピーもしなくていいし、配布・回収もないので、圧倒的に便利だと思います。でもWi-fiがつながらない学生がいたりして「自分のデータでやって」と言っても「もうない」という人がいたりして。今日は1人いました。そのときのために紙のも用意しておいたほうがいいのかなと。学生たちはどっちがいいとは言ってませんでしたね。でもすぐフィードバックが返ってくるのはおもしろかったみたいです。コロナ対策としても紙よりは安心感がありますし。


こうしてまとめてみても、今回のデジタル化には肯定的な意見のほうが多いように感じました。
また、置き換えの際に、既存のテストの見直しにも繋がっていることも付け加えさせてください。
しかしながら、こちらの思惑通りには必ずしもいっていない部分も垣間見えたような気がします。
「テストのデジタル化」は進めていく予定ですが、そういうことも心に留めておきたいなと思いました。


(瀬戸)

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