仙台国際日本語学校

「仙台国際日本語学校」は宮城県仙台市にある日本語学校です。

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仙台国際日記(ブログ)

2021年12月の日本語能力試験(JLPT)の結果

2022.02.15

12月5日に行われた、今年度2回目の日本語能力試験(JLPT)。

その結果が先日発表されましたので、こちらにまとめ、簡単に考察してみます。


IMG_7815.JPG


●N1...2名合格(-1名)、N2...4名合格(-11名)、N3...5名合格(-55名)
(※括弧内は2020年12月の結果との比較)


いずれのレベルでも合格者数が2020年12月と比較すると減少、特にN3の減少幅が大きくなっています。
7月の試験についての記事では「今回の結果は喜ばしいもの」としたのですが、12月の試験については...。

この原因をちょっとだけ分析してみます。
まず前提として、今年度は新型コロナの影響で学生数(=受験者数)が激減していることがあります。
しかし、このことは7月の試験についても言えることですので、今回の結果の直接的な原因とは言いにくい。

そこで、もう少し考えてみると、次の2点が大きく関係しているのではないかと思うに至りました。
①今回受験した学生たちはコロナの影響で入国時期が遅れたため、学習期間が短かった
②体制上、7月の試験の好結果が、12月の試験の合格者数の減少をもたらした


もう少し詳しく見ていきます。
①について、本来なら2020年10月に入学する予定だった学生たちの大半が遅れて入学しました。
入国後の隔離期間などもありましたので、場合によっては3ヵ月以上遅れて学習が始まったことになります。
3ヵ月の遅れとなると、当校のカリキュラムでは概ね、各教科書1冊の50%以上の遅れを意味します。
事後のケアをしても遅れを取り戻すには至らず、合格ラインに達しなかった、というわけです。


次に②についてですが、こちらは少し話が複雑になります。
例年当校では7月の受験は任意、12月の試験は基本全員受験(受験料は学費から)の体制をとっています。
言い換えると、7月に受験した者はやる気または自信があった者、と言うことができるかと思います。
このうち例年より高い割合の学生が合格を手にしたことが、上記の「結果は喜ばしいもの」に繋がります。
でも当然、7月の段階で、例えばN3に合格したものが、12月にN2に合格できるわけではありません。
しかし当校の体制上、7月にN3に合格したものは、無理だとわかっていてもN2に挑戦せざるを得ないのです。
つまり、7月の合格者が「ダメ元受験」する例が増え、12月の合格者数と割合を落とした、というわけです。

いずれも推論の域を出ませんし、実際の原因はもっと複合的なものなのでしょう。
(よくよく考えると①と②の間には矛盾もあります)
また上記①②に疑いを被せてしまって「おしまい」では、教育活動の改善には全く繋がりません。
今回まとめた2点も踏まえつつ、結果を真摯に受け止めて反省する姿勢が私たちには必要なはずです。
ここまでのことは私個人の考えですが、これを教職員間で共有し、次年度の試験に備えていければと思います。


(瀬戸)

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