仙台国際日本語学校

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仙台国際日記(ブログ)

『吾輩は  である』#1

2021.04.08

今年の1月から2月にかけて、1クラスのiタイムで新たな取り組みが行われました。
その概要については、担当されたS藤先生の文章を引き、すでにお伝えした通りです。


今回からは数回に分けて、学生たちの作品をご紹介していきます。
トップバッターはネパールのRイさんです。
題名はあの名作と同じですが、「猫」に一捻りあります。

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吾輩は猫である

 
 吾輩は猫である。名前はトムである。しかし、吾輩は普通の猫ではない。なぜなら吾輩の毎日がテレビ番組として放送されているからである。吾輩は世界中でバカバカしいトムとして知られている有名な猫である。でも吾輩はバカではなかろう。吾輩には吾輩なりのちゃんとした訳がある。それはヒトの笑顔のためである。ヒトを笑顔にするのは番組の主役の義務であるからだ。
 
 吾輩はママという人と住んでいる。ママのことはよく知らないけれども、家にはジェリーという悪役もいる。見た目は可愛い鼠だが本当は悪魔であることは間違いなかろう。吾輩を虐めたり吾輩のことをバカにしたりする最低なやつである。しかし、ジェリーがいるからこそ吾輩の人生は楽しい。たまにはジェリーと気持ちをわかり合えることもある。しかし、味方ではない。猫として生まれて来て鼠とは仲良くは出来ないことも事実である。
 
 吾輩は家を出ることがあまりないけれども、家を出る度に吾輩は友だちと認めている三匹の猫と一匹の犬とよく出会う。三匹の友だちは乱暴な性格である。そのため、会う度に「あのさぁ、お前の家にいる鼠をぶっ殺してやるよ。」と言う。殺しにいったこともあるが、計画どおり成功した覚えがない。つまり毎回失敗していると言うことだ。しかし、三匹は未だに諦めていない。三匹は根性ある奴らだなと思うこともある。
 
 吾輩のついている日は、家から出かけた時ガロルという美猫と出会える日だ。こんな日はとてもついている。出会う度にガロルは吾輩の運命の猫だと感じる。ガロルと付き合いたくてたまらない。ガロルと付き合うためなら何でもする。できないことはない。しかし、彼女は吾輩の恋を受け止めない。何でだろう。「どうせ、付き合えないなら忘れよう。」と思うことは何回もあるが、忘れることなんてできない。できるわけもない。だから吾輩は何回降られても必死にがんばって付き合おうとしているのだ。
 
 こんなことを何回もくり返すのが吾輩の人生であることは間違いない。だからこんなむちゃくちゃの人生を楽しむことにしたのである。吾輩が主役として放送されている番組を見てくれ。そうしてもらえればありがたいことである。人間ども、吾輩のことを一生忘れないでいてくれ。


添削が入っているとはいえ、よくここまで書いたものだと感心させられます。
願わくは、次は「鼠」目線でも書いてもらいたいものです。


(瀬戸)

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