仙台国際日本語学校

「仙台国際日本語学校」は宮城県仙台市にある日本語学校です。

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仙台国際日記(ブログ)

教育実習2021

2021.12.24

12月6日から17日までの2週間、盛岡大学で日本語教育を学ぶ学生さん4人が当校で教育実習を行いました。

IMG_7702 (2).JPG
<最終日に撮影した集合写真。いい表情です>

盛岡大学さんからは、例年この時期に教育実習生を受け入れています
もう何年になるでしょうか...。

毎年実習前には、実習中に担当する授業の予習や模擬授業などをしてから本番に臨んできたそうですが...。
今年はコロナの影響で当校に新入生がおらず、よってこの時期は初級クラスが存在しないことになりました。
そのため、大学での予習や模擬授業が直接的には活かせない形になってしまったわけです。
また、例年に比べクラス数も少なく、実地授業・授業見学・学生との交流の幅も狭まってしまいます。
そこで今年は以下のような代替策を立て、教育実習をデザインし直してみました。

①実地授業の時間を少し減らし、事前準備・模擬授業の時間を十分に取る
②当校教職員から実習生への講話の時間を増やす
入学予定者への学習支援活動に参加してもらう
③実習生主動の「放課後会話クラス」を設置、企画・運営を任せる


実習 コラージュ
<左上:放課後会話クラス、右上:実地授業①、左下:実地授業②、右下:S先生による講話>


その成果の判断には時間と多くの声が必要ですが、私見では上手く機能したのではないかと感じています。
特に日本語学校の「授業」以外の業務体験や、「授業」以外で学生と関わる機会を作りさせた感覚があります。
これにより、より広い視野と、一つのものを多角的に見る目を養えたのではないでしょうか。


そんな(私たちにとっては)いつもと違う今年の教育実習。
実習日誌の最終頁から、実習生の4人の心の中も覗いてみましょう。

(0先生)
生の学習者がいる日本語の授業を初めて見学し、自分が思っている以上に日本語を話し、書き、理解している姿を見て、大きな衝撃を受けました。(中略)学習者と会話する時間も多く作っていただきました。自分は、授業における一番の教材は学習者であると考えます。理由は、教師が授業を作る際に使う文の多くは、学習者が日常で使う言葉であり、彼らの生の会話を授業で取り扱うためです。そのため、教師は学習者を知る必要があります。自己紹介の時間や、会話クラスなどで多くの学習者とコミュニケーションをとり、会話することで彼らの生活や文化を学ぶことができました。そして、その文化から、教師が考慮しなければならない問題が存在すると言うことも気づくことができました。

(М先生)
私は日々の学習を当たり前のこととして受け取っており、学習する動機が不確定であったり、学習に向ける意欲が弱ったりする部分があるが、学習者の学習に対する姿勢は、日本語や日本の文化を自分の将来の糧として、日本語学校で学べることを一つでも多く役立てようとするものであったり、自身の生活のために、必死に取り組んでいるものであった。自分の日常の学習を振り返り、もっと真剣に取り組めることがたくさんあることを認識できた。これからの大学での学習や社会に出てからの学習において、学習者の姿勢を手本として忘れないようにしていきたい。

(W先生)
・実習全体としては、教師以前に、1人の人間として足りない部分が多すぎると感じた。
・(先生方の)教師としてだけでなく、社会人としての態度や、仕事への向き合い方は、私にとっては、1番と言っていいほど学びがあった。
・私の知見の狭さもあると思うが、学んだ量が多く、まだ噛み砕けないメモも沢山ある。今後、経験する様々なこととすり合わせて、必ず自分のものにする。

(F先生)
今回の実習を通して、他ではできない経験をいくつもさせて頂いたと思います。日本語学校で実習させて頂くことはもちろん、留学生と雑談のような会話をすることも、放課後会話クラスという形で交流の機会を設けていただくこともここでしかできない経験だったと思います。(中略)また、先生方の授業見学や講話を通して、まだ学生の身ではありますが、今後日常生活から意識を変えていかなければならないと感じました。

それぞれに、様々な学びや気付きが得られたようです。
将来日本語教育に携わるか否かに関わらず、今回の経験がいつか4人の中で花を咲かせますように。


(瀬戸)

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